IFRSとは
IFRS(International Financial Reporting Standards-国際財務報告基準)とは、IASB(International Accounting Standards Board-国際会計基準審議会)が作成する会計基準をいいます。
一般的には「IFRS」という用語が使われていますが、以下の基準書等により構成されていることから、正確には「IFRSs」といいます。
- IFRS(国際財務報告基準書)
- IAS(国際会計基準書)
- IFRIC(国際財務報告解釈委員会)解釈指針
- SIC(旧解釈指針委員会)解釈指針

日本におけるIFRSの動向と対応の必要性
日本においては、2007年8月に公表された「東京合意」(企業会計基準委員会(ASBJ)と国際会計基準審議会(IASB)の間で交わされた会計基準のコンバージェンス(※1)に向けた合意)以降、現在もコンバージェンス・プロジェクトが進行中です。それと同時に、日本においても、世界各国と足並みをそろえるべく、IFRSアドプション(※2)への動きが強まっています。2009年2月には、金融庁から「日本版ロードマップ案」が公表され、将来的なIFRSアドプションへの道筋が示されました。さらに2009年6月には、IFRSアドプションの時期を2015年又は2016年とする旨が明記された修正案が公表されています。
このように、コンバージェンス・プロジェクトやIFRSアドプションへの流れを受け、日本でもいよいよ新会計基準の適用ラッシュの時代が始まります。
※1.コンバージェンス:
自国基準がIFRSと実質的に同等の基準となるために、自国基準とIFRSの差異を解消していくこと。
※2.アドプション:
自国の企業(主として上場企業)に対してIFRSの採用を義務付けること。

日本においては、IFRSアドプションの時期は2015年又は2016年とされています。また、コンバージェンスについては、2011年6月まで予定通りに進んでいくことが確実です。
コンバージェンスの進捗状況に合わせて徐々にIFRSプロジェクトを進めていくことで、混乱なく社内体制を整備することができ、いざIFRSアドプションとなった場合にも、膨大な労力や時間、お金を使うことなく、IFRSアドプションに耐えうる体制を作ることが可能となります。
よって、日本の会計基準の範囲内でコンバージェンスが進められている今こそ、新基準に対応する社内体制を整備する絶好の機会であるといえます。
なお、2015年3月31日終了事業年度からIFRSを適用する場合、以下の財務情報を提供する必要があります。
- 2014年3月期及び2015年3月期のIFRS財務諸表(2期分)
- 2013年4月1日開始財政状態計算書

IFRSプロジェクトが必要となる会社
| コンバージェンス (新会計基準) 対応 |
IFRSアドプション対応 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 日本基準→IFRS への移行作業 |
日本基準以外の 基準→IFRS への移行作業 |
||||
| 上 場 会 社 |
連結財務諸表を 作成している場合 |
提出会社の連結財務諸表 | ○ | ○ | - |
| 提出会社の個別財務諸表 | ○ | △(※注1) | - | ||
| 国内子会社 | ○ | ○ | - | ||
| 海外子会社 | - | - | ○ | ||
| 連結財務諸表を 作成していない場合 |
個別財務諸表 | ○ | △(※注2) | - | |
| 非 上 場 会 社 |
連結財務諸表を 作成している場合 |
提出会社の連結財務諸表 | ○ | - | - |
| 提出会社の個別財務諸表 | ○ | - | - | ||
| 国内子会社 | ○ | - | - | ||
| 海外子会社 | - | - | △(※注3) | ||
| 連結財務諸表を 作成していない場合 |
個別財務諸表 | ○ | - | - | |
| 海外法人を親会社にもつ日本法人 | ○ | △(※注4) | △(※注4) | ||
| IFRS適用財務諸表の提出を求められた会社 | - | ○ | ○ | ||
※注1:
現時点では、個別財務諸表についてIFRSベースでの開示は求められていません。しかしながら、個別財務諸表は連結財務諸表作成の基礎となることから、個別財務諸表についてはIFRSを適用した場合の財務諸表の作成が必要となります。
※注2:
上場会社で連結財務諸表を作成していない会社は、IFRSベースでの開示は求められていません。しかしながら、比較可能性の観点から、会社が望む場合には、日本基準での開示に加えてIFRSベースでの開示(監査済み)を行うことが認められると思われます。
※注3:
企業会計基準委員会実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」では、連結財務諸表に取り込む在外子会社の財務諸表は、親会社と同一の基準で作成することが求められています。ただし、当面の間においては、在外子会社がIFRS又は米国基準に準拠して財務諸表を作成している場合には、一定の修正を行うことにより、連結決算手続上利用することができるとしています。したがって、在外子会社の財務諸表を、世界的に知られているIFRSに準拠して作成すべく移行作業を行うことは有用と考えられます。
※注4:
IFRSを採用することが世界的潮流となった今、海外法人を親会社にもつ日本法人は、IFRSベースの財務諸表の作成が求められる可能性が高いと考えられます。
2008年末までに改正が発表された会計基準等
| 会計基準等 | 内容 | 適用時期 |
|---|---|---|
| 工事契約 | 工事進行基準の原則適用 | 2009/4/1以後開始事業年度から適用 (早期適用可) |
| 退職給付 | 割引率の期末日基準への一本化 | 2009/4/1以後開始事業年度の年度末に係る財務諸表から適用 (早期適用可) |
| 金融商品 | 時価開示 | 2010/3/31以後終了事業年度の年度末に係る財務諸表から適用 (同期首から早期適用可) |
| 投資不動産 | 賃貸等不動産の時価開示 | 2010/3/31以後終了事業年度の年度末に係る財務諸表から適用 (同期首から早期適用可) |
| 資産除去債務 | 資産除去債務の負債計上 | 2010/4/1以後開始事業年度から適用 (早期適用可) |
| 持分法 | 関連会社の会計方針の統一 | 2010/4/1以後開始事業年度から適用 (早期適用可) |
| 企業結合 | 持分プーリング法の廃止等 | 2010/4/1以後実施される企業結合及び事業分離等から適用 (早期適用可) |
| 無形資産 | 企業結合における仕掛研究開発分 | 2010/4/1以後実施される企業結合及び事業分離等から適用 (早期適用可) |
| 棚卸資産 | 後入先出法廃止 | 2010/4/1以後開始事業年度から適用 (早期適用可) |
| セグメント情報の開示 | マネジメント・アプローチ | 2010/4/1以後開始連結会計年度より適用 (早期適用不可) |
2011年6月末までに公表目標の会計基準等
| 会計基準等 | 内容 | 適用時期 |
|---|---|---|
| 企業結合 | のれんの処理等 | 検討中 |
| 無形資産 | 開発費の資産計上 | 検討中 |
| 過年度遡及修正 | 会計方針の変更等 | 2011/4/1以後開始事業年度の期首以後に行われる会計上の変更及び過去の誤謬の訂正から適用 |
| 財務諸表の表示 | 包括利益 | 2011/3/31以後終了連結会計年度の年度末に係る連結財務諸表から適用 |